お風呂の排水溝の流れが悪い原因とは
お風呂の排水溝が詰まってしまい、水が流れにくくなると非常に不便ですよね。
この記事では、排水管清掃のプロである私が、排水溝の流れが悪くなる原因とその解決方法を具体的にご紹介します。
家庭でできる対策から、専門的な作業が必要な場合まで幅広く解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
1. 排水溝の流れが悪くなる主な原因
お風呂の排水溝が詰まる原因は多岐にわたります。以下に主な原因を挙げてみました。

(1) 髪の毛の詰まり
髪の毛は、お風呂の排水溝詰まりの最も一般的な原因です。
お風呂を使用するたびに排水溝に流れ込む髪の毛が徐々に蓄積し、水の流れを妨げます。
特に長い髪の毛は絡まりやすく、他の汚れと一緒に塊を形成することがあります。
この塊が排水管の奥まで入り込むと、自力での除去が難しくなります。
また、日々の生活で少しずつ蓄積されるため、気づいたときには詰まりが深刻化していることが多いです。
(2) 石鹸カスと皮脂
石鹸カスや体から出る皮脂が髪の毛に付着し、排水管内で固まりやすくなります。
この汚れが層を作り、排水効率を悪化させます。
特に合成洗剤を使用している場合、カスが硬くなりやすく、通常のお湯洗浄では解消が難しい場合があります。
さらに、これらの汚れが長期間放置されると悪臭の原因にもなります。
(3) 水垢やカビ
排水溝の湿度と温度が高い環境は、水垢やカビの発生を促します。
これらが排水の通り道を狭め、詰まりを引き起こす原因となります。
特にカビは健康被害を引き起こす可能性もあり、衛生面でも注意が必要です。
(4) 排水管内部の劣化
古い住宅では排水管そのものが劣化し、内部に錆や汚れが蓄積しやすくなることがあります。
錆びた部分に汚れが付着すると、さらに詰まりやすくなるため、定期的な点検が重要です。
また、劣化した排水管は水漏れや破損の原因となるため、早めの対応が必要です。
2. 自分でできる簡単な対策
排水溝の流れが悪い場合、まずは以下の方法を試してみてください。
(1) 髪の毛キャッチャーの掃除
排水溝の上部に設置されている髪の毛キャッチャーを取り外し、中に詰まった髪の毛やゴミを取り除きます。
ゴム手袋を使用し、定期的に掃除することをおすすめします。
(2) 重曹と酢を使う
まず排水溝に重曹を1/2カップほど入れ、その後に酢を1/2カップ注ぎます。
この組み合わせで発泡が発生し、汚れを浮かせる効果があります。
10—15分放置した後に、ぬるま湯を流して洗い流します。
化学薬品を使わない方法なので環境にも優しいのが特徴です。
(3) 市販のパイプクリーナーを使う
ドラッグストアやホームセンターで購入できるパイプクリーナーを使用するのも効果的です。
種類は液体タイプやジェルタイプ、さらには粉末タイプなど多岐にわたります。
液体タイプは速効性があり、軽度の詰まりに適しています。
一方、ジェルタイプは排水管の奥まで届きやすく、しつこい汚れにも対応できます。
粉末タイプは、水と反応して強力な泡を発生させ、汚れを分解するのに役立ちます。
使用時には、必ず説明書をよく読み、適量を守りましょう。
また、使用後には十分な量の水で洗い流すことで、クリーナー成分を完全に除去し、排水管を傷めるリスクを軽減できます。
3. プロに依頼するべきケース
以下のような場合は、プロの排水管業者に依頼することを検討してください。
(1) 自分の対策で改善しない
髪の毛や軽い汚れを取り除いても水の流れが改善しない場合、排水管の奥深くで詰まりが発生している可能性があります。
このような場合は、家庭用の器具では届かない場所に汚れが溜まっていることが多く、専用の高圧洗浄機やスネークツールを使用する必要があります。
また、詰まりが進行すると排水管自体に負担をかける可能性があるため、早めの対処が求められます。
(2) 排水口から悪臭がする
詰まりが原因で排水口から嫌な臭いが発生する場合、汚れが排水管内で腐敗していることが考えられます。
この臭いは放置するほど強くなるため、早急に対応することが重要です。
臭いの原因が表面に近い場合は、市販のクリーナーで解消できることもありますが、奥深くで詰まりが発生している場合は、専門的な清掃が必要です。
臭いの種類や強さによっては、排水管の構造や状況を調査することも必要になるでしょう。
(3) 水が全く流れない
完全に水が流れなくなる場合、排水管の中で大きな異物が詰まっている可能性があります。
一般的に、家庭用のラバーカップやスネークツールで一時的に解消できる場合もありますが、それ以上の深刻な詰まりは、特殊な機器や専門技術が求められることがあります。
また、水が溢れるような状況に発展する前に早急にプロの作業を依頼することで、さらなる被害を防ぐことができます。
特に古い建物では、排水管自体の交換が必要になるケースもあるため、迅速な対応が重要です。
4. プロが行う排水管清掃の流れ
プロの業者が行う排水管清掃は、以下の手順で進められます。
(1) 状況確認
まずは詰まりの状況を確認します。場合によってはカメラを使用して排水管内をチェックします。
(2) 高圧洗浄
高圧洗浄機を使用して排水管内の汚れや詰まりを取り除きます。この方法は効果的で、管内を完全にクリアにすることができます。
(3) 必要に応じて部品交換
排水管の劣化がひどい場合、部品の交換が必要になることがあります。
5. 排水溝の詰まりを予防する方法
詰まりを未然に防ぐためには、日常的なケアが重要です。以下の予防策を実践してみてください。
(1) 髪の毛キャッチャーの使用
排水溝に髪の毛が流れ込むのを防ぐために、髪の毛キャッチャーを活用しましょう。使用後はこまめに掃除することが大切です。
(2) 定期的なクエン酸洗浄
1週間に1回程度、クエン酸とぬるま湯を使った洗浄を行うと効果的です。まず、クエン酸を小さじ1杯排水溝に振りかけ、その後にぬるま湯を注ぎます。クエン酸の酸性効果で石鹸カスや水垢を分解し、詰まりの原因を取り除きます。使用後はしばらく放置し、最後に流水でしっかり洗い流してください。この方法は環境にも優しく、安全に排水溝を清潔に保つことができます。
(3) 市販クリーナーの定期使用
軽度の汚れを防ぐために、市販の排水溝クリーナーを定期的に使用するのも効果的です。特に、ジェルタイプのクリーナーは排水管の奥深くまで届きやすく、頑固な汚れや軽度の詰まりを効率的に除去できます。また、排水溝に流すだけでなく、数分放置することでより効果が発揮されます。環境に優しい成分を含む製品も増えているため、用途に合わせて選ぶと良いでしょう。使用後はしっかりと流水で洗い流すことを忘れないでください。
(4) プロによる定期点検
年に一度はプロに依頼して排水管の点検と清掃を行うことで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。プロによる点検では、排水管内部の状態をカメラで確認し、見えない部分の劣化や詰まりを早期発見することが可能です。また、高圧洗浄機を使用することで、家庭用のケアでは落としきれない汚れや頑固な詰まりを徹底的に除去できます。これにより排水効率が向上し、排水管の寿命を延ばすことが期待できます。特に、古い住宅や使用頻度の高いお風呂では、定期的な点検がトラブル回避の鍵となります。
まとめ
お風呂の排水溝が流れにくくなる原因は、髪の毛や石鹸カスなどの日常的な汚れから、排水管の劣化までさまざまです。自分でできる簡単な対策を試しても解消しない場合は、無理をせずにプロの業者に依頼することをおすすめします。
排水管清掃業者として、日々のケアと定期的なメンテナンスがトラブルを防ぐ最善の方法であると実感しています。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです!


